医師を目指したきっかけ
私は22歳で大学の理工学部を卒業し、その後は大手の電子機器メーカーに入社して営業マンとして働いていましたが、「会社に影響されず続けられる仕事をしたい」と考えるようになりました。自分の腕一本でやっていける医師という職業に魅力を覚え、浪人して地元の富山医科薬科大学の医学部に入学、大学時代は循環器内科を専攻していました。スタートが遅かったこともあり、最初から開業医をめざしていました。大学を卒業した後にいくつかの病院で研鑽を積んだ後、1989年に「宮村内科クリニック」を開業しました。
開業を考えていた時に今のクリニックの場所を紹介され、駅から近く私が希望していた通りの広いフロアだったことからこの場所に開業しました。ご縁があってこの地域にきましたが、周りに大学が多いこともあってか落ち着いた雰囲気でとても気に入っています。
心と体の安心のお手伝いをしたい
当院は、「人間全体を診たい」「心と体の安心のお手伝いをしたい」という私の診療方針もありまして、内科だけでなく、皮膚科、整形外科、心療内科など、全身の病気に対応する総合内科であることが特徴です。超音波診断装置や内視鏡ビデオスコープシステムなど各種医療機器を導入し、西洋医学的診断に力を入れています。精密な検査と診断をもとに、西洋医学と中医学の観点を取り入れた治療を患者さんに合わせて使い分けているのも特徴の一つです。一人で内科全般を診られるように勉強を続けていましたが、開業してみると、内科領域だけでは足りないことがわかり、皮膚科や心療内科も診られるように勉強しました。医師の中には専門を極める人、広い分野を診察する人と2種類いると思いますが、私の場合は後者。もともと好奇心が旺盛で、いろいろなことに興味を持つタイプなので、人間全体を診る診療スタイルが私には合っていると思っています。
西洋医学・中医学どちらの良さも取り入れた治療
高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病に対しては西洋医学の薬のほうが効果的な治療ができますが、一方で、漢方は体全体の調子を整える治療として有効です。当院では「病院に行くほどではないが具合がすぐれない」といった症状の方もいますので、当院では患者さんの症状に応じて、西洋医学、漢方のいいところを取り入れたオーダーメイドの治療を提供しています。私が卒業した富山医科薬科大学は、当時としては珍しく漢方の診療についても学べる大学でした。私の「人間全体を診たい」という診療方針も漢方を学んだ影響が大きいと思います。この「人間全体を診る」「西洋医学・漢方の併用」という診療スタイルに興味を持って、わざわざ遠方から通ってくれる患者さんも多いんですよ。
ストレスからくる体の不調について
今の日本は「一億総ストレス」社会と言っていいでしょう。心と体はつながっていますから精神の疲れは体の健康にももちろん影響します。ストレスによって体に変調をきたして来院する患者さんには、治療以外にお勧めしていることが3つあるんです。1つ目が「空を見ること」。ストレスを抱えている方は空を見ることすら忘れてしまいますが、空を見るように意識するだけでだいぶ心持ちが変わってきます。2つ目は「光を浴びること」。そして3つ目が「心の中で『ありがとうございます』ということ」。日頃から暗い言葉や否定的な言葉を使わないように気をつけ、明るい言葉、肯定的な言葉を使うように心がけていくとストレスもだいぶ和らぎます。ストレスでいらっしゃった患者さんにはまずこれらのことに取り組んでいただいて、それと並行して治療を進めて行くようにしています。
丁寧な診察が第一
患者さんを一人の人間としてしっかり見つめて、診察を終えて家路につくとき、気持ちよく帰れるよう、診察は丁寧にするよう心がけています。当院にいらっしゃる方は心配な気持ちを抱えている方が多いので、まずその気持ちを落ち着けてやわらかく受け止め、勇気づけた上で送り出すのがとても大切だと思います。私は以前から宗教にまつわる本が好きでよく読んでいました。宗教といってもキリスト教や仏教の内容ということではなくて、「心の教え」を学んでいるつもりです。最近ではベストセラーになったあるシスターの方の本を読んで、感銘を受けました。心と体どちらも癒せる場所でありたいと思っています。
体を動かすこと・食事を改善すること
当院にいらっしゃる患者さん皆さんにお勧めしていることが大きく2つあります。それは体操と和食です。まず体操ですが、寝転がって足を少しだけ上げる「足上げ」、寝転がって膝を曲げた状態で腰を上げる「反ブリッジ」、そして背中を壁につけた「空気椅子」の3つは簡単なのでぜひやっていただきたい運動です。下半身の衰えは健康の衰えにつながりますが、この3つの体操は下半身強化にとても役に立ちます。そしてもうひとつが和食。ご飯と味噌汁中心の和食を皆さんにお勧めしたいですね。
読書と運動がリフレッシュ方法
私はとにかく読書が好きで、時間ができたらすぐ読書をしています。休みの日はカフェが併設されている本屋に行って、買った本を読みながらお茶を飲むのが至福のひとときです。最近特に興味を持って読んでいるのが宇宙論や宗教論といったスピリチュアル系の本です。さらに毎日続けているのが水泳と温泉です。診察が終わると、自宅の近くのスポーツクラブに行って500メートルほどクロールや平泳ぎで泳ぎます。その後はスポーツクラブ内の温泉につかってリラックス、というのが日課ですね。この習慣は10年以上続けています。
独自のスタイルで患者さんの痛みや症状によりそう
私は「心と体の安心のお手伝いをしたい」という思いから、西洋医学や東洋医学をはじめ、さまざまな医療について学び、今では独自のスタイルで患者さんの体全体を診られるようになりました。「いろいろな病院に行ったけれども治らない」とお悩みの方がいらしたら、ぜひ一度当院を訪れてみてください。